[ テーマ: 健康上の理由で働けなくなったとき ]
2010年3月15日11:34:00
健康上の理由等で働けなくなったとき -2- 妊娠・出産で働けなくなったとき
働きながら、出産・育児をすることは、大変なことだと思いますが、
働く女性が妊娠した場合次のように法律で保護されています。
男女雇用機会均等法で定められていること
1.事業主は女性労働者が、妊娠中や産後に保健指導や健康診断を受ける為の時間を確保しなければなりません。(男女機会均等方 第12条)
2.妊娠中の女性労働者が指導事項を守れるように次のような措置を講じなければなりません。(男女機会均等方 第13条)
時差通勤、勤務時間の短縮等の措置
休憩時間の延長、休憩回数の増加等の措置
妊娠中又は出産後の作業の制限、休業等の措置
3.事業主は、女性労働者が妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤など男女雇用機会均等法による母性健康管理措置や深夜業免除など労働基準法による母性保護措置を受けたことなどを理由として、解雇その他不利益取扱いをしてはなりません。(男女機会均等法第9条)
不当な扱いの例
解雇すること
期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き
下げること
退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容
の変更の強要を行うこと
降格させること
就業環境を害すること
不利益な自宅待機を命ずること
減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る
労働者派遣の役務の提供を拒むこと
4.以上のことが講じられず、事業主と労働者の間で紛争が起こった場合は調停など紛争解決援助の申出を行うことができます。(男女機会均等法15条~27条)
労働基準法で決められていること
(1)産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)は会社を休むことができます。
また、産後は8週間女性を就業させることはできません。(ただし、産後6週間を経過後に、女性本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については、就業させることはさしつかえありません。)(法第65条第1項及び第2項)
(2)妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。(法第65条第3項)
(3)妊産婦等を妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。(法第64条の3)
(4)変形労働時間制がとられる場合であっても、妊産婦が請求した場合には、1日及び1週間の法定時間を超えて労働させることはできません。(法第66条第1項)
(5)妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。(法第66条第2項及び第3項)
(6)生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求することができます。(法第67条)
(7)上記の規定に違反した者は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。(法第119条)
妊娠・出産・育児のために労働者が利用できる制度が紹介されています。http://www.hokkaido-labor.go.jp/7koyou/kintou/kintou11_03.pdf
働く女性が妊娠・出産で受け取ることのできるお金
1.妊婦健診の費用妊婦健診の費用が補助されます。こちらは、市町村によって異なりますので、各市町村の保険所等にご相談下さい。
2.出産育児一時金原則38万円受け取ることができます。
この金額は「産科医療補償制度」に加入している病院などで分娩した等の場合に限ります。
それ以外の場合は、35万円となります。
緊急の少子化対策(平成21年10月から平成23年3月末までの間は暫定措置)として上記の金額より4万円多く支払われます。
3.育児休業基本給付金
育児休業基本給付金の受給条件は以下の通りです。
1.歳未満の子を養育するために育児休業を取得する場合。
2.休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていない。
3.育児休業開始前の2年間で1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある。
4.休業している日数が各支給対象期間ごとに20日以上ある。
5.育児休業終了後に離職しないこと。
支給される金額
「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」になります。
4.育児休業者職場復帰給付
受給条件は以下の通りです。
1.育児休業基本給付金の支給を受けた方。
2.育児休業終了後、同じ会社で6ヶ月以上雇用された方。
支給額育児休業基本給付金が支給された支給対象期間の「支給日数の合計日数×休業開始時賃金日額×賃金月額の10%」となります。
解雇の禁止について
労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、療養のため休業する期間及びその後の30日間は解雇することができません。
産前産後の女性が規定により休業する期間およびその後30日間 は解雇することができません。
使用者は上記の期間においては労働者を解雇できません。(ただし、業務上の傷病により使用者から補償を受ける労働者が、療養を開始して3年を経過してもその傷病が治らない場合、平均賃金の1200日分の打切補償(労働基準法第81条)を支払えば解雇は出来ます。)
育児休業中の健康保険・厚生年金
育児中(最長、子が3歳になる月の前月まで)の「厚生年金保険」と「健康保険(40歳以上65歳未満は介護保険も含む)」の保険料は免除されます。
ただし、「免除」は事業主が日本年金機構申し出をした場合に限られます。
免除の期間中は、育児休業取得直前の標準報酬で保険料納付が行われたものとして取り扱われるので、保険料を納めなくても、納めたとみなして将来の年金額が計算されます。
また、「厚生年金保険」と、「健康保険」の保険料は、労働者と事業主が折半して払う形になっていますが、会社の分も免除されるので、会社側にもメリットがあります。
助成金を受けられる場合もあります。
育児と仕事を両立しやすい環境を整えた事業所では助成金を受けられる場合があります。
詳しくは、当事務所までお気軽にご相談下さい。
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[ テーマ: 健康上の理由で働けなくなったとき ]
2010年3月5日15:51:00
健康上の理由等によって働けなくなったとき -1-病気や怪我などで働けなくなったとき
今回から、3回に分けて、1.病気や怪我で働けなくなったとき 2.妊娠・出産で働けなくなったとき 3.介護で働けなくなったとき に受けられる手当などについてお話します。
1. 病気や怪我などで働けなくなったとき
ここで言う怪我や病気には2種類あります。
1.労災や通災と認められた怪我や病気
2.その他の私傷病
1.労災と認められた怪我や病気
労災で、働けないと認定され休業した場合は、休業補償がなされます。
労働者が業務上の事由(労働災害)や通勤途中での怪我や疾病(通勤災害)のために働けなくなったと認定され、休職するなど、賃金をもらえなくなったときに、待機期間(3日間)のあと4日目から支給されます。
支給される金額は?
休業(補償)給付=(給付基礎日額の60%)
2.その他の私傷病
私傷病の場合は条件によって傷病手当金を受け取ることができます。
傷病手当金が受けられる条件は?
傷病手当金は、「私用中の病気やケガに対して休業したときに支払われる」ことになっています。
仕事中のケガなどの場合は労災に認定されるためです。
傷病手当金は、
「就業できない状態であること」
「三日間連続で欠勤していること」
「事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けてないこと」
の三つの条件を満たしていると給付資格が与えられます。
この条件のうちの「連続欠勤した三日間」は、傷病手当金の準備期間とみなされ4日目から給付が受けられます。
支給される金額は?
支給額は、病気やけがで休んだ期間、一日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額です。
なお、働くことができない期間について、①、②、③に該当する場合は、傷病手当金の支給額が調整されることとなります。
次の①~③の支給日額が、傷病手当金の日額より多いときは傷病手当金の支給はありません。
①~③の支給日額が、傷病手当金の日額より少ないときはその差額が支給されます。
① 事業主から報酬の支給を受けた場合
② 同一の傷病により障害年金を受けている場合(同一の傷病による国民年金の障害基礎年金を受けるときは、その合算額)
③ 退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金または、退職共済年金など受けている場合(複数の老齢給付を受けるときはその合算額)
傷病手当金は「一つの症例につき1年6ヶ月」支給されるので、病気やケガが再発した場合は最初の給付日から起算して1年6ヶ月間の間なら何度でも受け取れます。
詳しくは最寄りの健康保険事務所または当事務所にご相談下さい。
(今回は障害年金、遺族年金については、お話しませんでした。こちらについては過去のブログをご覧下さい)
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