退職・転職の基礎知識-いざ、会社を辞めると必要な手続 1-

[ テーマ: 転職・退職の基礎知識 ]

2009年11月9日11:04:00

いざ、会社を辞めると、必要な手続が生じます。
ここでは、保険や、税金など、次の4つについてお話したいと思います。

1..健康保険

2..失業保険

3.厚生年金

4.税金   

 

 

矢印43 健康保険                                                            irasut

 

第1回目は健康保険についてお話します。

退職するときには、今まで使用していた健康保険証を会社に返却しなくてはなりません。しかし、健康保険に加入するのは国民の義務であるとともに、万一の病気や事故に備えて必要です。

次の勤め先が決まっている方は、新しい勤め先で加入する事になります。その会社の加入している「協会けんぽ」か、会社の入っている「健保組合」に加入する事になります。


これから、求職活動をしようと思っている方、とりあえず仕事をする予定のない方は、次の5つのいずれかを選択する事になります。 

60歳未満の人の場合は①②③のいずれかを選びます。
年金を受け取っている人は①④あるいは⑤という選択になります。

 

① 家族が加入している健康保険の被扶養者になる。

② 健康保険の任意継続保険者になる。

③ 国民健康保険に加入する。

④ 国民健康保険の退職者医療制度を利用する。

⑤ 特定健康保険組合の特例退職者医療制度を利用する 

 

 

① 家族が加入している健康保険の被扶養者になる場合

 

家族(3親等以内の親族で、父母、祖父母などの直系尊属、子、孫、配偶者、兄弟)が健康保険に加入していれば、その扶養者になることが出来ます。
ただし、年収が130万円未満で、被保険者の年収の50%以下であることが条件になります。(被扶養者が60才以上のときや、障害厚生年金や障害基礎年金を受け取っているときは、年収の制限は180万円未満となります。)
また、失業保険の給付を受ける場合は、それも、収入となるので、注意が必要です。
手続は、退職の翌日から5日以内に、扶養してもらう家族の会社でしてもらいます。保険料はかかりません。

 

 

② 任意継続保険制度


家族の扶養になれない場合で、会社を退職する日まで(被保険者資格喪失の前日まで)に継続して2ヶ月以上被保険者期間があった場合(つまり健康保険に入っていた場合)退職後2年間は、今までいた会社の加入していた健康保険制度が利用できます。
在職中の保険料は、給料から天引きされている分の他に、同じ金額を会社が負担しています。退職したあとは全額自己負担となるので、保険料を今までの2倍払うことになります。 こちらの申請は20日以内にしなければなりません。

 

③ 国民健康保険

 

だれでも、入れるのが国民健康保険です。こちらの保険料は前年の所得を元に計算されます。任意継続保険制度の保険料と比べて、低い方に加入するとよいと思います。こちらの手続は住んでいる市区町村の役所で退職してから14日以内に行ないます。保険料は、各市区町村によって異なるので、窓口などで確認をしてみるとよいでしょう。   

 

④ 退職者医療制度老齢

 

厚生年金を受け取っている人(厚生年金か共済年金に20年以上加入していた、または40才以降に10年以上 加入していた人と、その扶養家族)は一般の国民健康保険ではなく、この制度への加入となります。
手続きの期限は年金証書が到着した翌日から14日以内で、加入できる期間は75才になるまでです。保険料は国民健康保険と同額です。


⑤ 特例退職者医療制度 

 

勤めていた会社が「健保組合」に加入していて、その加入期間が20年以上、あるいは40才以降に、10年以上加入していた人で、老齢厚生年金を受け取っている人が、利用できる保険です。
手続きの期限は年金証書が到着した翌日から3カ月以内で、加入できる期間は75才になるまでです。
保険料は加入している保険組合全員の、平均賃金から割り出された額の50%に保険料をかけた額になります。一般的に、最初は国民健康保険や任意継続保険制度と比較すると、割安になっていますが、年ごとに保険料がスライドして高くなる傾向があります。
また、特例退職者医療制度は一度加入すると、死亡、再就職、75才以上になると入る事になっている高齢者医療制度の加入以外で、脱退することができませんので、気をつけましょう。
なお、国民健康保険にはない、家族療養付加金や一部負担還元金が、受け取れるケースもあります。

 

健康保険は所得などによって保険料が変わります。詳しくはお住まいの市区町村か当事務所までご相談下さい。