[ テーマ: 教えて!労働基準法 ]
2011年6月13日15:47:00
もっと教えて!震災に伴う派遣労働について ー派遣労働者編 1ー
教えて労働基準法ー番外編ー
東日本大震災による被害により、今後相当の期間にわたり、経済活動と雇用への重大な影響が生ずることが懸念されております。
特に、急激な事業変動の影響を受けやすい派遣労働者については、その解雇・雇止めにより、生活の基盤となる職場を失うおそれがあります。
厚生労働省が、派遣労働者、派遣会社及び派遣先からの派遣労働に関する労働相談についてQ&Aを取りまとめたので、分かりやすくご紹介します。
第1回目は派遣労働者からの質問に対する回答です。
Q. 派遣会社から他の派遣先を探しているので休業だと言われました。
A. 使用者の責に帰すべき事由により休業させられる場合には、使用者(派遣会社)には休業手当を支払う義務があります(労働基準法第26条)が、「使用者の責に帰すべき事由」に当たるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされます。
派遣先の事業場が、天災事変等の不可抗力によって操業できないため、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが「使用者の責に帰すべき事由」に該当しないとは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性等を含めて、「使用者の責に帰すべき事由」に該当するかどうかが判断されます。
Q. 派遣先の事務所が震災の直接の影響を受け、休業となり、今は派遣先を探してもらっています。
A. 労働基準法上の休業手当の支払義務がない場合であっても、就業規則等において休業手当を支払うと定めている場合がありますので、派遣会社の担当者に確認して下さい。
Q. 派遣先は被災地ではありませんが、東日本から部品が届かず、工場が休みで、派遣先を探しています。
A. 東日本大震災の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた派遣会社が、派遣労働者の雇用維持のために休業等を実施し、休業手当を支払った場合、雇用調整助成金又は中小企業緊急雇用安定助成金を活用できることがあります。
派遣会社に、休業手当等を支払えば助成金制度が活用できるかもしれないことを伝えてみてはいかがでしょうか。
Q. 新しい派遣先が遠隔地のため応じたくないが、派遣会社から従わないと解雇と言われました。
A. まず、勤務場所など労働条件の変更については、よく派遣会社の担当者と話し合って下さい。
労働条件の変更は、お互いの合意に基づくという原則(労働契約法第8条)に基づき、労働条件の変更のルールに従うことになります。
お近くの都道府県労働局又は労働基準監督署内の総合労働相談コーナー(被災地の開庁状況はこちら)において、民事上の労働問題に関する相談・情報提供等を行っていますので、必要に応じて御活用下さい。
Q. 派遣先の事務所が震災の直接の影響を受け、休業となり、賃金は支払えないと言われた。
A. 派遣会社においては、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(2)(3)に基づき、労働者派遣契約の契約期間満了前の途中解除の場合、派遣先から賠償等をもらい、休業手当を派遣労働者に支払うことになっています。
Q. 派遣会社から「年休取得」を命じられましたが、取りたくありません。
A. 年次有給休暇は、原則として、労働者の申し出により、労働者の希望する時季に取得するものであり、使用者(派遣会社)に命じられて取得するものではありません(労働基準法第39条第5項)。
Q. 私は無期雇用の派遣労働者ですが、派遣契約を打ち切られて解雇を告げられました。地震で派遣会社に他の派遣先を探してもらえず、解雇前の予告もなく、いきなり解雇されました。
A. 派遣会社においては、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)に基づき、派遣先との間で労働者派遣契約が打ち切られたとしても、派遣会社は労働者に対して新たな就業先の確保などをしなければならないことになっています。
また、労働者を解雇するに当たっては、30日以上前に予告することなど一定の手続が原則として必要となります(労働基準法第20条)し、民事上、解雇をすることが許されず、継続雇用することが必要とされる場合もあります(労働契約法第16条)。
Q. 私は有期雇用の派遣労働者ですが、契約期間満了前に解雇を告げられました。地震で派遣会社に他の派遣先を探してもらえず、有期労働契約を中途解除されました。
A. 派遣会社においては、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)に基づき、派遣先との間で労働者派遣契約が打ち切られたとしても、派遣会社は労働者に対して新たな就業先の確保などをしなければならないことになっています。
第2回目へ続きます。
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