[ テーマ: 教えて!労働基準法 ]
2011年6月20日13:16:00
もっと教えて!震災に伴う派遣労働についてー派遣会社編 1ー
教えて!労働基準法-番外編-
第3回目は派遣会社からの質問に対する回答の1回目です。
Q. 震災により、派遣先から派遣契約を打ち切られましたが、派遣労働者に休業手当を支払うべきでしょうか。
派遣労働者を休業させたいのですが、休業手当を支払う余裕がありません。
A. 派遣会社においては、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)に基づき、ある派遣先との間で労働者派遣契約が打ち切られたとしても、派遣先と協力しながら、派遣労働者の新たな就業先の確保などをしなければならないことになっています。
使用者の責に帰すべき事由により休業させる場合、使用者(派遣会社)には休業手当を支払う義務があります(労働基準法第26条)が、「使用者の責に帰すべき事由」に当たるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされます。
派遣先の事業場が、天災事変等の不可抗力によって操業できないため、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが「使用者の責に帰すべき事由」に該当しないとは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性等を含めて、「使用者の責に帰すべき事由」に該当するかどうかが判断されます。
労働基準法上の休業手当の支払義務がない場合であっても、就業規則等において休業手当を支払うと定めている場合はその支払が必要です。
また、労働者派遣契約中に、その中途解除の際の損害賠償の定めがあれば、この規定に基づき、派遣会社は派遣先に対して賠償等を請求できますので、労働者派遣契約の内容を確認して下さい。
Q. 派遣労働者を休業させたいのですが、休業手当ではなく、見舞金など一時金の支払をもってこれに代えたいとおもいます。
A. 休業手当とは関係なく、就業規則や使用者のいわゆる「気持ち」によって見舞金等を支払ったとしても、労働基準法に基づく休業手当とは別です。
使用者の責に帰すべき事由により休業させる場合には、使用者(派遣会社)には休業手当を支払う義務がありますが、その休業手当は平均賃金の6割以上である必要があります(労働基準法第26条)。
また、この労働基準法上の休業手当の支払義務がない場合でも、就業規則等において休業手当を支払うと定められている場合は、休業手当を支払わなければなりません。
Q. 派遣契約が打ち切られ、派遣労働者の雇用を維持することがどうしても難しい場合、解雇してよいのでしょうか。
A. 労働者派遣契約が中途解除される場合には、派遣会社は、派遣先から賠償等を受け、休業手当を支払うことができる場合があります(同指針第2の2の(2))。詳しくは、お近くの都道府県労働局の需給調整事業担当にお問い合わせ下さい。
労働者を解雇するに当たっては、30日以上前に予告することなど一定の手続が原則として必要となります(労働基準法第20条)し、民事上も、合理的な理由(有期雇用の場合は、やむをえない事由が必要)がなければ解雇をすることが許されず、継続雇用することが必要とされる場合もあります(労働契約法第16条、第17条第1項)。
Q. 派遣先から派遣契約を打ち切られましたが、別の派遣先を紹介したところ、派遣労働者に断られました。解雇してもよいでしょうか。
A. まず、勤務場所など労働条件の変更については、よく派遣労働者と話し合って下さい。労働条件の変更は、お互いの合意に基づくという原則に基づき、労働条件の変更のルールに従うことになります(労働契約法第8条)。
お近くの、都道府県労働局又は労働基準監督署内の総合労働相談コーナーにおいて、民事上の労働問題に関する相談・情報提供等を行っていますので、必要に応じて御活用下さい。
Q. 地震・津波の被害を受けた派遣会社です。中小企業者向けの資金繰り支援策を教えてください。
A. 中小企業庁のホームページでは、中小企業の方の御参考となる東北地方太平洋沖地震関連情報をお知らせしています。
どこに相談したらよいのか、お困りの中小企業者が電話で相談できる「中小企業電話相談ナビダイヤル」(0570-064-350)なども用意されています。
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