[ テーマ: 法律に関する事 ]
2010年11月9日09:58:00
平成21年度 賃金不払残業(サービス残業)是正の結果が発表されました
全国の労働基準監督署が、平成21年4月から平成22年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払になっているとして労働基準法違反で是正指導した事案は以下のようになりました。
・ 是正企業数 1,221企業
・ 支払われた割増賃金合計額 116億298万円
・ 対象労働者数 11万1,889人
支払額で最高だったのは飲食店を営む企業で「12億4,206万円」の支払、次いで銀行・信託業に属する企業で「11億561万円」、3番目は病院で「5億3,913万円」となりました。
都道府県労働局や労働基準監督署には、労働者や家族の方などから長時間労働や賃金不払残業(いわゆるサービス残業)に関する相談が多数寄せられており、労働局や監督署は、これらに対して重点的に監督指導を実施し、是正させました。
具体的な是正のポイント
労働時間の適正な把握のために事業主は下記のような措置が必要です。
始業・終業時刻の確認及び記録
労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録しなければなりません。
始業・終業時刻の確認及び記録は原則として的な方法は下記の①か②になります
① 事業主が、自ら現認することにより確認し、記録する。
② タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録する。
上記の方法で記録が出来ず、自己申告制によってしか記録できない場合、事業主は、下記のような措置を講じなければなりません。
① 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
②自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間とあっているか、必要に応じて実態調査をおこなうこと。
③ 労働者が適正な申告をするのを阻害するために時間外労働時間数の上限を設定してはいけません。
また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害していないかについて確認しなくてはなりません。
もし、なっていたばあいは改善のための措置を講ずることが求められます。
労働時間の記録に関する書類の保存
労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存することが義務づけられています。
労働時間を管理する者の職務
労務管理を行う部署の責任者は、労働時間を適正なに把握し、労働時間管理上の問題点がある場合はその解消を図ることが必要です。
労働時間等設定改善委員会等の活用
必要に応じて労働時間等設定改善委員会などの労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点や解消策などの検討を行うことが必要です。
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