基本の基本 「解雇の予告」

[ テーマ: 教えて!労働基準法 ]

2014年9月5日09:00:00

解雇には30日以上前の予告が必要です。


image解雇は、労働者の生活に多大な影響を及ぼします。
突然の解雇による労働者の生活の困窮を緩和するため、労働基準法において、労働者を解雇する際の手続きが定められています(労働基準法第20条)。

1 解雇する際の手続き

やむを得ず労働者を解雇する際には、客観的・合理的な理由が必要です
また、解雇に当たっては、解雇理由の如何を問わず、原則として、以下の2つの方法のいずれかの手続きを行わなければなりません。

(1) 少なくとも30日前に解雇の予告をする。
(予告の日数が30日に満たない場合は、その不足日数分の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。)

(2) 解雇の予告を行わない場合は、解雇と同時に30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う。

 

2 解雇予告の適用除外

以下に該当する労働者については、解雇予告の規定が適用されません(労働
基準法第21条)。

① 日々雇い入れられる者
(1か月を超えて引き続き使用された場合は予告の対象)
② 2か月以内の期間を定めて使用される者
(2か月を超えて引き続き使用された場合は予告の対象)
③ 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
(4か月を超えて引き続き使用された場合は予告の対象)
④ 試の使用期間中の者
(14日を超えて引き続き使用された場合は予告の対象)

 

3 解雇が認められないケースの例
会社からの一方的な解雇に対して、労働基準法などでは、育児・介護休業法などの労働法で規制が設けられています。以下に該当するケースでは、労働者を解雇することが禁止されています。

①業務上の負傷または疾病にかかり、療養のために休業する期間と、その後30日間の解雇
②産前産後休業中と、その後30日間の解雇
③国籍・信条または社会的身分を理由とする解雇
④監督機関に対して使用者の労働基準法違反の事実を申告したことを理由とする解雇
⑤有給休暇を取得したことを理由とする解雇
⑥女性労働者であることを理由とする解雇
⑦女性労働者が結婚・妊娠・出産した事、あるいは出産休暇を取得した事を理由とする解雇
⑧育児休業の申し出をしたこと、または育児休業をしたことを理由とする解雇
⑨介護休業の申し出をしたこと、または介護休業をしたことを理由とする解雇
⑩労働組合への加入・結成、組合員であること、および労働組合の正当な行為を理由とした解雇


解雇手続きに関するQ&A

Q1 懲戒解雇の場合は、解雇予告手当を支払わずに即時解雇できると聞いたのですが。
A1 懲戒解雇とは、一般的に、労働者に非があって、会社などで定めた懲戒事由に該当したことを理由として解雇する場合を指します。
しかし、労働者に非があるからといって、ただちに、解雇手続きをとらなくてもよい訳ではありません。
労働基準法では、
①天災事変で事業継続が不可能な場合、
②労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合
であって、労働基準監督署長の認定を受けた場合に限って、解雇手続きをとらずに解雇することが可能とされています。


Q2 解雇予告期間中も賃金を支払う必要がありますか。
A2 解雇予告期間中であっても、対象労働者が働いたり、年次有給休暇を取得した日に対しては、賃金を支払う必要があります。


Q3 解雇の予告は口頭で伝えるだけでもよいのですか。
A3 口頭での通知であっても予告は有効ですが、後々のトラブルを避ける意味からも、書面で通知することが望ましいです。


Q4 解雇の理由を教えてもらいたいのですが。
A4 労働者は、退職後または解雇予告を受けている期間中に、解雇の理由を記載した証明書を使用者に請求することができます。
使用者は、労働者から請求があった場合には、遅滞なく証明書を交付しなければなりません(労働基準法第22条)。

 

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基本の基本 「一ヶ月単位の変形労働時間制」って!?

[ テーマ: 教えて!労働基準法 ]

2014年9月3日09:25:12

マーク1 一ヶ月単位の変形労働時間制とは 

image1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働 時間が40時間(特例措置対象事業場(※1)は44時間)以内となるように、労働日 および労働日ごとの労働時間を設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を 超えたり、特定の週に40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えたりすること が可能になる制度です(労働基準法第32条の2)。
(※1)常時使⽤する労働者数が10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、 接客娯楽業

 

1 一ヶ月単位の変形労働時間制の採用方法
労使協定または就業規則(※2)で、2に示した事項について定めてください。
なお、締結した労使協定や作成・変更した就業規則は、所轄労働基準監督署に届 け出てください。
(※2)常時使⽤する労働者が10人以上の事業場は、就業規則の作成・届出が必要です。

 

2 労使協定または就業規則などに定める事項
次の事項すべてを、定める必要があります。
① 対象労働者の範囲
法令上、対象労働者の範囲について制限はありませんが、その範囲は明確に定める必要があります。

② 対象期間および起算日
対象期間および起算日は、具体的に定める必要があります。
(例:毎⽉1日を起算日とし、1か⽉を平均して1週間当たり40時間以内とする。)
なお、対象期間は、1か⽉以内の期間に限ります。

③ 労働日および労働日ごとの労働時間
シフト表や会社カレンダーなどで、②の対象期間すべての労働日ごとの労働時間をあらかじめ具体的に定める必要があります。その際、②の対象期間を平均して、1 週間あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えないよう設 定しなければなりません(「3 労働時間の計算方法」参照)。
なお、特定した労働日または労働日ごとの労働時間を任意に変更することはでき ません。

④ 労使協定の有効期間
労使協定を定める場合、労使協定そのものの有効期間は②の対象期間より⻑い期間とする必要がありますが、1か⽉単位の変形労働時間制を適切に運⽤するためには、3年以内程度とすることが望ましいでしょう。

 

3 労働時間の計算方法
対象期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44 時間)を超えないためには、対象期間中の労働時間を、以下の式で計算した上限時 間以下とする必要があります。

 

矢印37上限時間の計算方法

上限時間=一週間の労働時間(40時間(特別措置対象事業はは44時間)×対象期間の歴日数 ÷ 7

 

4 割増賃金の支払い
1か⽉単位の変形労働時間制を採⽤した場合、割増賃⾦の⽀払いが必要な時間外労働となる時間は以下のとおりです。

① 1日については、8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間

② 1週間については、40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除く)

③ 対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①または②で時間外労働となる時間を除く)


(注1)育児を行う者などへの配慮
育児を⾏う者、⽼人などの介護を⾏う者、職業訓練または教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児などに必要な時間を確保できるよう配慮しなければなりません。
(注2) 1か月単位の変形労働時間制を採用できない者
満18歳未満の年少者(ただし、満15歳以上満18歳未満の者(満15歳に達した日以後の最初の3⽉31日までの間を除く)については、1週間48時間、1日8時間を超えない範囲で採⽤可)
妊産婦(妊娠中及び産後1年を経過しない⼥性)が請求した場合

 

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基本の基本 「一年単位の変形労働時間制」って!?

[ テーマ: 教えて!労働基準法 ]

2014年8月26日16:33:00

マーク1 1年単位の変形労働時間制とは


irasuto1ヶ月を越え1年以内の一定の期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件として、特定の日又は特定の週に1日8時間又は1週40時間を超え、一定の限度で労働させることができる制度です。


1年単位の変形労働時間制が認められる要件

① 変形労働時間の対象労働者の範囲を特定すること(対象期間中の中途採用者や退職予定者についても割増賃金の支払を条件に対象労働者とすることが可能です)。

② 対象期間が1ヵ月を超え1年以内の特定の期間であること。

③ 対象期間における所定労働日を特定すること(対象期間が3ヵ月を超える場合は対象期間内に設定できる所定労働日数は原則として1年間当たり280日として按分計算した日数以内です)。

④ 対象期間における各所定労働日,労働時間および始業・終業時刻を定めること(ただし,あらかじめ対象期間の各所定労働日,労働時間を特定することができないときは,対象期間を1ヵ月以上の期間ごとに区分し,各期間の30日前までに過半数を組織する労働組合または過半数の労働者を代表する者の同意を得て特定することを条件に,最初の期間の労働日,労働時間,ならびに最初の期間を除いた各期間における労働日数および総労働時間を定めることもできます)。

⑤ 対象期間を平均して所定労働時間が1週間の法定労働時間を超えないこと。

⑥ 連続して労働させる日数の限度は6日とすること(ただし,労使協定で対象期間中のとくに業務の繁忙な期間を特定期間とし,特定期間においては連続して労働させる日数の限度を1週間に1日の休日が確保できる日数として,例えば週の最初と次週の最後に休日を与えるなどの方法を講じることができることとなっています)。

⑦ 1日の所定労働時間の限度が10時間,1週間の所定労働時間の限度が52時間であること(なお,対象期間が3ヵ月を超える場合については,上限に近い労働時間の週が連続することのないように,労働時間が48時間を超える週を連続させることのできるのは3週以下であること等の要件が定められています。また,隔日勤務のタクシー運転の業務に従事する労働者については労働時間の限度について例外が定められています)。

なお,上記の事項および有効期間について,労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合,そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者と協定を締結し,その協定を所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

 

留意点

変形労働時間制は,季節によって業務の繁閑の差があり,繁忙期には相当の時間外労働を生ずるが,閑散期には業務量が少ない事業場の場合に,労働時間のより効率的な配分をはかって,全体として労働時間を短縮する目的で認められた制度です。
導入にあたっては,この制度趣旨を十分に理解して対処する必要があります。

また,変形労働時間制に関しては行政解釈も出ておりますし,変形労働時間制の下における時間外労働の処理についても複雑です。
実施にあたっては専門家とよく相談するように心掛けてください。

 

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